リサの食べられない食卓【吸血鬼と人間の食を巡る不思議な物語】漫画感想
『リサの食べられない食卓』はちょっと不思議な漫画です。
美しい吸血鬼の話なのですが、とても独特な世界観で、時間を忘れて読んでしまいました。
まずは、あらすじから見ていきましょう。
※この感想は個人的な感想の他に様々なレビューを参考にして書いています。
『リサの食べられない食卓』とは
あらすじ
人間と吸血鬼が共に生きる未来の世界。
青き血の一族と呼ばれる吸血鬼のリサは、おいしい食事(血)を取りたくて、今日もおいしい?料理を作ります。
でも、リサは食べません。食事は血をもらう人間のためのもの。おいしい血を食べるために、今日もせっせとリサは人間の食事を作るのです。
ただその食事は、到底食べられるものではない黒焦げのダークマター。ついに人間にも脱走され、途方に暮れたリサは、自宅の敷地内で倒れている男の子を発見します。
この男の子との出会いが、リサと人間のかかわりを変えていってーーー。
というような内容の作品です。ここからは作品の特徴について触れていきます。
作品の特徴
お料理?家族?SF?
『リサの食べられない食卓』というタイトルから、お料理漫画かなと思うかもしれませんが、そこまで料理メインというわけでもなく、異種族の家族漫画かなと思ったら、それだけでもない不思議な作品です。
300年前に何か大きな事件があったというSF要素も盛り込まれています。
吸血鬼と人間
おいしい血のために料理して、人間に食べさせ、お返しにその人間の血をもらうという吸血鬼と人間の不思議な関係性が魅力です。
私は、リサが血を吸うシーンがとてもきれいで好きなんです。
吸血鬼系の話ってやっぱりちょっと官能的だったり、背徳感とか出ちゃうものですが、黒郷ほとり先生の吸血鬼は、ただただ美しい。
線画も細かく、髪の流れや服装も黒郷先生のこだわりが感じられます。リサの吸血シーンを子供には見せないようにして、必ず別の部屋へ連れていくのも、配慮を感じられてクスッとします。
魅力的な人物たち
しっとりとした独特の世界観に合う、魅力的な人物たちを少しだけ紹介していきます。
吸血鬼・リサ
何百年も生きている吸血鬼。
最初は自分の食事(血)をおいしくするため、料理をしていたが、暁(あきら)や泉守(いずもり)のおいしそうに食べる姿に料理に対する気持ちも変わっていきます。
夜中にこっそり、朝ごはんの支度をしたり、食事をとらなくなった暁が食べた時の喜びようはもうすっかりお母さんのようです。
そして、クラシカルな衣装でお料理する姿は、美しい。
三雲 暁(みくも あきら)
リサの屋敷の敷地内に倒れていた男の子。両親は亡くなっている。
味覚に合うリサのおいしいご飯が大好き。オムライス、あっくんなどと呼ばれる。癒し要員、可愛い。
暁が来たことでリサの料理がダークマターから食べられるものへと進化します!
泉守 冬真(いずもり とうま)
リサの食事(血を提供)。あることで自暴自棄になって、リサの食事になる仕事を引き受けます。
リサの黒焦げ料理に命の危険を感じて脱走しましたが、暁がリサの食事にならないように、結局、屋敷に残ることを決めました。
まとめ
食卓という家族の象徴を、血がつながっていなくとも、種族が違っていても、見せてくれる温かで素敵な家族にほっこりします。
もちろんそれだけではなく、人物の背景やSF感あふれる不思議な世界観にいつの間にか引き込まれてしまいました。
少し変わった世界を体験してみたい方、可愛い男の子に癒されたい方、美しい女性の吸血シーンを見たい方におすすめの作品です。
この言葉では言い表すことの難しい不思議な世界観を、ぜひ体験してみてください。
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