漫画『異世界に救世主として喚ばれましたが、アラサーには無理なので、ひっそりブックカフェ始めました。』感想【おすすめ】
まず、タイトルを書いてみると、長くて驚きました。よ、46文字!?
このタイトルを読んだとき、「異世界なのに、現代っぽいブックカフェってどういうことなの?」となったのですが、そんな最初の疑問を忘れるほど、面白い漫画でした。
タイトルが、漫画の内容をほとんど説明しているのですが、とても楽しい作品だったので、私からも説明させてください。
※この感想は個人的な感想の他に様々なレビューを参考にして書いています。
漫画『異世界に救世主として喚ばれましたが、アラサーには無理なので、ひっそりブックカフェ始めました。』とは
小説投稿サイトで、和泉杏花さんが書かれた小説をコミック化したものです。
シリーズ構成を近江谷さん、作画は桜田霊子さんが担当されています。
あらすじ
水森月奈は目を覚ますと、異世界転移していて、「神」を名乗る謎の球体から別の世界に行ってほしいと言われます。
しかし、「アラサー女子の私に、世界を救うなんて無理がある」と月奈は乗り気でありません。
断固拒否する月奈。
どーしても行ってほしい神は「異世界にいるだけでいいから」とお願いし、交渉に交渉を重ね、月奈に能力をたっぷりとサービスして、どうにか転移させるのでした。
月奈は、街から少し離れた場所にブックカフェをオープン。
読書を1人楽しむ月奈の店に、1人の男性が訪れます―。
主な登場人物
水森月奈(ツキナ)
大国「オセル」に異世界転移した33歳のアラサー女子。異世界ではツキナと名乗り、救世主だということは隠しています。
読書と料理が大好きで、本を読むときは眼鏡を装着。神からたくさんの能力をもらっていて、魔力も多く、食料も家具も自由自在に取り出せます。
ソウェイル(イル)
ツキナのブックカフェに訪れた最初のお客さん。大国「オセル」の騎士団長。愛称はイル。
ツキナと同じ本好きで、本の趣味も合い、ブックカフェに通いつめて親しくなります。
真面目で、見合いも断るほど騎士の仕事に従事していましたが、ツキナと出会ったことで心境に変化が―。
まったりブックカフェ、でも異世界モノ
ここまでだと、ただの楽しいブックカフェのお話のようですが、ここは異世界。
当たり前のように、恐ろしい魔獣がいて襲ってくるし、魔法の暴発なんて恐ろしいことも。
実は、他にも救世主がいて、何やら問題がありそうなのです。
感想
原作・構成・作画と分担され、それぞれ隙なくしっかりとしていて、とても読みやすかったでした。
ツキナが、頬を赤らめてほんわかした顔がたまらなく可愛いです。イルを含めた男性たちもキリッと格好よく、背景も細かい部分まで描き込まれいるので、読み進めていくのが楽しみでした。
異世界モノでよくある、勇者や救世主になった主人公のやったるぜ!感はなく、しっとりとした大人な転生モノです。
もちろん、ツキナは、いろいろな問題に巻き込まれてしまいます。
「世界を救うなんて無理」と言っていたツキナにも、少しずつ変化が訪れます。ツキナが否が応でも、救世主だということを自覚し、苦悩する描写は心が震えました。
そんなツキナと、優しく支えてくれるイルの落ち着いた関係は甘すぎず、とても好ましかったです。
本好きの夢が詰まった作品です。本が汚れない魔法に、おいしい食事など、至れり尽くせりなブックカフェに私も行ってみたいと思いました。
まったりした作品のおすすめです。